平安文学の傑作、源氏物語。南北朝時代を描いた軍記物語、太平記。九州、肥後に生きた菊池一族の痕跡は、実はこれらの名作の中にも残されています。
「太夫の監とて、肥後の国にて族広くて、彼処(かしこ)につけてはおぼえあり、勢いいかめしき兵(つわもの)ありけり」
源氏物語で、高級官僚として肥後(熊本)に勢力を誇る武士の一族があった、という記述で登場する菊池一族。太平記の時代には、南朝の雄としての活躍ぶりを発揮し、12代武時、13代武重、15代武光の激闘が鮮やかに描かれています。33巻「菊池合戦の事」、38巻「菊池、大友軍の事」など、章の名前にも登場し、その位置づけの大きさを見ることが出来ます。